ロードバイクの価格も年々上昇し、最近では50万円という金額でも、装備を見れば決してハイエンドとは言えない時代になってきました。

そんな中、高いコストパフォーマンスで注目したいメーカーの一つが、弊店でもお取り扱いを開始させていただいたX-LABです。

X-LABといえば、フラッグシップモデルの「AD9」。ツール・ド・フランスにも出場するXDS・アスタナ・チームに機材を供給しながら、AD9のフレームセット価格は税込396,000円と、ワールドツアーで使用される機材としては非常に魅力的な価格設定です。
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そんなX-LABから、2027年モデルとして日本国内でも発売されたのが、エアロロード完成車の「AD7」です。

このAD7、税込506,000円という価格ながら、SHIMANO 105 Di2、カーボンホイール、カーボン一体型ハンドル、さらにはパワーメーターまで標準装備されています。

スペックだけを見れば、かなり魅力的な完成車です。

では、AD7は本当にコストパフォーマンスに優れたロードバイクなのでしょうか。

もちろん、装備の充実度という点では非常に魅力があります。しかし、ロードバイクの価値は、完成車に装着されているパーツの価格や重量だけで決まるものではありません。

今回は、X-LAB AD7の魅力を紹介しながら、上位モデルであるAD8・AD9との違い、そして購入前に知っておきたい注意点について考えてみたいと思います。

▶ X-LAB AD7とは?
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まずはAD7の完成車としての装備を確認してみます。

2027年モデルとして日本国内で発売されたAD7の価格は、税込506,000円です。

主な仕様は以下のとおりです。

項目 AD7の仕様
価格 506,000円(税込)
フレーム XDSカーボン
コンポーネント SHIMANO 105 Di2(チェーンはKMC X12)
ホイール Branta C45 SL
ホイール重量 1,470g(前後セット)
クランク Branta アルミ製パワーメータークランク
ハンドル Branta カーボン一体型
タイヤ Branta R630F 30C
サドル FIZIK Aidon
完成車重量 8.44kg(Mサイズ)

まず注目したいのは、メインのコンポーネントに105 Di2が採用されていることです。

現在の105 Di2は12速の電動変速システムです。上位グレードと比較すれば変速速度やフィーリング等の違いはありますが、レースからロングライドまで十分に対応できるコンポーネントです。

また、Di2のメリットは変速性能だけではありません。

近年のロードバイクはケーブル類の内装化が進み、特にフル内装のハンドル周辺は整備が複雑になっています。

その点、Di2であれば機械式変速のようなシフトワイヤーを必要とせず、ワイヤーの伸びや摩耗による変速不良もありません。

こうしたメンテナンス面のメリットも、現代のロードバイクでは非常に大きいと感じています。

さらにホイールには、X-LABが展開するパーツブランド「Branta」のC45 SLを採用。45mmハイトのカーボンホイールで、前後セット重量は1,470gとされています。

この重量であれば、完成車に付属するホイールとしては悪くない数字です。

そしてもう一つ大きいのが、パワーメーターまで標準装備されていることです。

かつては本格的なトレーニングを行う人が使用する機材という印象の強かったパワーメーターですが、現在ではロングライドでのペース配分や走行中の負荷管理など、その活用方法も幅広くなっています。

こうした普及の背景には、パワーメーター自体の低価格化もあると思います。とはいえ、以前と比べて手頃になっただけで、決して安いパーツではありません。

AD7に採用されているクランクはアルミ製で、上位モデルのカーボンクランクとは異なりますが、それでもパワーメーターが最初から付属していることは、大きなメリットです。

本格的なパワートレーニングはもちろん、普段のライドでもパワーデータを活用したい人にとって、魅力的な装備と言えるでしょう。

加えて、上位モデルと同じくBranta製のカーボン一体型ハンドルまで装備されています。

以前であれば、完成車を購入してからホイールを交換し、ハンドルを交換し、パワーメーターを追加する、といったカスタムが必要になることも珍しくありませんでした。

しかしAD7の場合、最初から多くのユーザーが欲しいと思う装備が揃っています。

購入後に大きな追加投資をしなくても、本格的なロードバイクとして使えるという点は、AD7の大きな魅力です。

少なくとも、完成車に装着されているパーツの充実度という点では、50万円という価格に対して非常に魅力的な内容だと思います。

では、フレームそのものも含めて考えた場合はどうでしょうか。




▶ 上位モデルAD9・AD8との違いは?

X-LABの上位モデルとは何が違うのでしょうか。

X-LABのエアロロードには、最上位モデルのAD9、その下に位置するAD8、そして今回紹介しているAD7があります。

国内販売価格と主な仕様を比較してみます。

モデル AD9 AD8 AD7
モデル年 2026年 2027年 2027年
国内価格 1,199,000円 990,000円 506,000円
カーボン素材 東レT1100 東レT800 XDSカーボン
コンポ DURA-ACE Di2 ULTEGRA Di2 105 Di2
ホイール Branta C50 ULR Branta C50 UL Branta C45 SL
クランク カーボン カーボン アルミ
パワーメーター 標準装備 標準装備 標準装備

※国内販売仕様で比較しています。AD8には105 Di2を搭載した2026年モデル(税込748,000円)も存在します。

最上位モデルのAD9は、プロロードレースでも使用されるレーシングモデルです。

東レT1100カーボンを採用し、CFD解析や風洞実験を用いて空力性能を追求したフレームが特徴です。

そして、そのAD9の設計を受け継いでいるのがAD8です。

AD8はAD9と同じフレームデザインとジオメトリを採用しています。

メーカーによれば、AD8はAD9と同一のフレームデザインを持ちながら、東レT800カーボンを採用したモデルです。

つまりAD8は、AD9の基本的なエアロ設計を受け継ぎながら、カーボン素材や完成車のアッセンブルなどによって価格を抑えたモデルと考えられます。

しかし、同じ金型を使用しているのか、内部のカーボン積層構成がどの程度異なるのかまでは分かりませんが、最上位モデルと同じフレームデザインが採用されている点は、大きな魅力です。

では、さらに価格を抑えたAD7は、同じような考え方のモデルなのでしょうか。

ここが今回の記事で最も注目したいポイントです。


▶ AD9とAD7の違いは?
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AD7を購入するうえで、ぜひ知っておいてほしいことがあります。

それは、AD7はAD9と同じ形状のフレームではないということです。

AD9とAD8は基本的に同じフレームデザインですが、AD7は外観上の造形が異なっています。

もちろんAD7もエアロ性能を重視したロードバイクですが、AD9と同じフレームを使用して、単にコンポーネントやホイールだけを変更したモデルではありません。

これは、コストパフォーマンスを考えるうえで重要な違いです。

例えば、仮にAD9と同じフレームに105 Di2や比較的安価なカーボンホイールを組み合わせ、手の届きやすい価格で販売されているのであれば、非常に魅力的です。

フレームそのものは最上位モデルと共通なので、後からホイールやコンポーネントを交換することで、上位完成車に近い構成へと仕上げていくこともできます。

しかし、AD7はフレーム自体が異なります。

完成車の価格を抑えるためには、装着するパーツだけでなく、フレームの素材や製造工程、設計などを見直すという方法もあります。

AD7で実際にどの程度のコスト削減が行われているのかは分かりませんが、上位モデルとは異なるフレームを採用している以上、AD9と同等の性能を持っていると判断することはできません。

ただし、フレームが違うからといって、単純に性能が低いという話ではありません。

ロードバイクの性能は、フレームの素材や重量、形状だけで決まるものではありません。

剛性や快適性、ハンドリング、そして実際に走らせたときのフィーリングなど、さまざまな要素が関係しています。

もしかするとAD7は、実際に乗ってみれば非常に優れた走行性能を持つロードバイクかもしれません。

私自身、現時点ではAD7を実際に試乗して評価しているわけではありません。

そのため、AD9と比べてどこが優れているのか、あるいはどこに違いがあるのか、走行性能について明確な評価をすることはできません。

これは実際に乗り比べてみなければ分からない部分です。

今回お伝えしたいのは、AD7の性能が低いということではなく、AD9と同じ形状のフレームを採用した廉価仕様ではない、という事実を理解しておくことが大切だということです。


・気になる完成車重量8.44kg

もう一つ注目したいのが、AD7の重量です。

AD7の公表重量はMサイズで8.44kgとなっています。

現在のカーボンエアロロードとして極端に重いとまでは言いませんが、105 Di2やカーボンホイールを採用していることを考えると、少し気になる数字です。

参考までに、2026年モデルのAD8は105 Di2を搭載しながら、Lサイズで7.41kgと公表されています。

つまり、同じ105 Di2を採用している完成車でも、約1.03kgの重量差があります。

しかもAD8のほうが大きいLサイズです。

では、この重量差はどこから生まれているのでしょうか。

部品 AD7 AD8(2026年)
コンポ 105 Di2 105 Di2
ホイール C45 SL 1,470g C45 UL 1,350g
クランク アルミ・スチール軸 カーボン・アルミ軸
タイヤ Branta 30C Michelin Pro 5 28C
サドル FIZIK Aidon SLR Boost カーボンレール
完成車重量 8.44kg(M) 7.41kg(L)

こうして比較すると、コンポーネントこそ同じですが、それ以外の部品には明確な違いがあります。

ホイールだけでも120gの差があり、さらにクランクやサドル、タイヤなどの重量差も加わります。

そのため、完成車重量の差がすべてフレームによるものというわけではありません。

しかし、それらを考慮しても約1kgという差は、やはり気になるところです。

個人的には、フレームやフォーク自体にも、それなりの重量差があるのではないかと考えています。

そもそもAD7はAD9・AD8とは異なるフレーム形状を採用しており、カーボン素材についても違いがあります。

一般的に、カーボンフレームは使用する素材や積層構成、製造方法によって重量や製造コストが変わってきます。

AD7のフレーム単体重量は公表されていませんが、こうした設計の違いと完成車重量を合わせて考えると、上位モデルよりもフレーム自体が重くなっている可能性は十分に考えられます。

もちろん、正確な重量差については実測しなければ分かりません。しかし、将来的な軽量化やグレードアップを考えるのであれば、こうしたフレームそのものの違いにも目を向けておきたいところです。


・完成車としてのコスパと、フレームとしてのコスパ

ここまでを整理すると、AD7は完成車としての装備が非常に充実しています。

一方で、フレーム自体は上位モデルと異なり、単体重量や性能についても不明な部分があります。

つまり、購入時に装着されているパーツだけを評価するのか、それともフレームを長く使うことまで考えるのかによって、コストパフォーマンスの評価が変わってくるということです。

では、続いて、AD7を購入するにあたって、おすすめできる人、おすすめしにくい人を考えてみようと思います。


▶ AD7をおすすめできる人、おすすめしにくい人

AD7は、購入する人の目的によって非常に魅力的な選択肢になると思います。

大切なのは、購入した後にどのような使い方をするのか、そして将来的にどこまでの性能を求めることになるのかという点です。

① AD7をおすすめできる人

まずおすすめできるのは、必ずしも究極の性能を求めず、購入した状態を基本として長く楽しみたい人です。

AD7には105 Di2、カーボンホイール、カーボン一体型ハンドル、そしてパワーメーターまで装備されています。

これだけ揃っていれば、通常のサイクリングからロングライド、レース、パワートレーニングまで幅広い用途に対応できます。

もちろん、タイヤやサドル、場合によってはホイールなど、自分の好みに合わせて交換することもあるでしょう。

しかし、必ずしも最軽量のバイクや最高峰のレーシング性能を求めているわけではないのであれば、大がかりなカスタムをしなくても楽しめることは大きなメリットです。

最初から必要な装備が揃っていれば、購入後の追加投資も抑えやすくなります。

最初から充実した装備のロードバイクを購入し、細かなカスタムを楽しみながら、基本的にはその状態で長く乗り続けたい。

そうした人には、AD7は十分おすすめできるモデルだと思います。

② 購入前に慎重に考えてほしい人

一方で、乗り続けるうちに、もっと軽く、もっと速く、さらに高い性能を求めたくなる人は、少し慎重に考えたほうがよいかもしれません。

例えば、購入後にホイールを軽量なモデルへ交換し、クランクやコンポーネントもULTEGRAやDURA-ACEへグレードアップする。

こうしたカスタムはAD7でも可能です。

しかし、パーツをグレードアップしていくうちに、最終的にはフレームそのものをもっと高性能なものに交換したくなるかもしれません。

上位モデルが存在するということは、どうしてもその先を求めたくなる可能性があるということです。

つまりAD7のフレーム性能が低いというわけではありませんが、上位モデルとは異なるフレームを採用している以上、将来的にAD8やAD9のようなフレームを求めたくなる可能性もあります。

もちろん、これは悪いことではありません。少しずつカスタムを楽しみ、最終的にはフレームを交換する。そんな楽しみ方もロードバイクの魅力の一つです。

ただし、最終的にフレームまで交換することになれば、当然ながら費用も大きくなります。そう考えると、最初からどのモデルを選ぶのかという判断も重要になってきます。


また、個人的にはパワーメーターも気になるところです。

パワーメーターは絶対的な精度も重要ですが、私自身はそれと同じくらい、測定値の一貫性を重視しています。

普段からパワーデータを細かく確認しながらトレーニングしているため、できることなら同じパワーメーターを使い続けたいと考えています。

しかし、AD7のアルミクランクを軽量なカーボンクランクなどに交換する場合、パワーメーターも変更することになる可能性があります。

正確なパワーメーター同士であっても、機種によって測定値に多少の違いが出ることはあります。継続的なデータ管理を考えれば、これも気になる部分です。

そして何より、最初から多くの装備が揃っているということは、将来交換するパーツが増えるほど、購入時のコストパフォーマンスというメリットが小さくなってしまうということです。

購入時点で、数年後にどこまで性能を追求したくなるのかを予想するのは難しいものです。

だからこそ、少しずつグレードアップを重ね、一台のロードバイクと長く付き合っていきたいと考えているのであれば、最初からフレームそのものの価値にも目を向けておきたいところです。


▶ まとめ:価格やスペックだけでは決められないロードバイクの価値

AD7は「50万円で105 Di2、カーボンホイール、パワーメーターまで付いている」。

確かに魅力的な内容です。しかし、ただそれだけでコストパフォーマンスが最強だと結論づけるのは、少し早いと思います。

同じX-LABには、105 Di2を搭載しながら約75万円という価格だったAD8もあります。

この約25万円の価格差を考えるうえで重要なのは、装着されているパーツだけでなく、フレームそのものにも違いがあるということです。

つまり、AD7が50万円という価格を実現するためには、装備を充実させる一方で、素材や仕様、製造コストなどを抑える工夫も必要だったと考えられます。

もちろん、それはメーカーの企業努力でもあり、決して悪いことではありません。

また、だからといってAD7の走行性能が低いと決めつけているわけでもありません。実際に乗ってみれば、想像以上に走りが良く、長く満足できる一台かもしれません。こればかりは、スペック表だけでは判断できない部分です。

大切なのは、その価格で何が得られるのかだけでなく、その価格を実現するために何が違っているのかを理解することだと思います。

最初から充実した装備を手に入れることに価値を感じるのか。それとも、将来的なグレードアップまで考えて、フレームそのものに価値を求めるのか。

どちらが正解というわけではありません。

ロードバイクの価格には、素材や製造方法、装着されるパーツ、そしてメーカーのさまざまな工夫が反映されています。

だからこそ、単純に価格やスペックだけを比較するのではなく、その中身をしっかりと見極めることが大切だと思います。

そして、スペック表だけでは分からないことも含めて、販売店でじっくり相談しながら、自分にとって納得できる一台を選んでほしいと思います。





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