ロードバイクのカスタマイズで、走行性能にも見た目にも大きな変化を与えるパーツの一つがホイールです。
最近では中国系メーカーを中心に、比較的手頃な価格で高性能なカーボンホイールも増えてきました。しかし、物価の上昇や相次ぐ価格改定の影響もあり、10万円以下で購入できるカーボンホイールとなると、選択肢は以前よりも限られてきたように感じます。
もちろん、価格だけを見れば安価な製品もありますが、ホイールは長く使用するものです。重量やリム形状といった基本性能はもちろん、品質や耐久性、購入後の保証やアフターサポートまで含めて考えると、単純に安ければ良いというものでもありません。
そんな10万円以下という価格帯の中で、今回、自信を持っておすすめしたいのが、UNAAS(ウナス)の「HARD SE」というカーボンホイールです。
50mmハイトのカーボンリムを採用しながら、価格は税込98,000円。さらに国内正規代理店による3年間の品質保証が付いており、正規販売店で購入できる製品です。
今回、お客様にご購入いただく機会がありましたので、実際に重量やリム幅などを測定してみました。
今回は走行インプレッションではありませんが、実物を確認してみると、この価格帯のホイールとしてなかなか魅力的な仕様を備えていることがわかります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
UNAASといえば、かつては耐久性や堅牢性を強くアピールしていたブランドという印象があります。
その象徴ともいえるのが、約1,200kgもの乗用車をホイールで吊り上げるという、なかなか大胆なデモンストレーションです。
ホイールで車を吊り上げるとは、相当なインパクトがあります。それだけ強度や堅牢性に自信があったということでしょう。
しかし、今回代理店に確認したところ、現在のUNAASは当時とは少し方向性が変わっているそうです。
以前は北欧ブランドらしい堅牢なつくりで、非常に剛性感の強い、しっかりとした乗り味が特徴だったそうです。一方、現在の主力ラインナップは、そこまで硬さを追求したものではなく、比較的マイルドで乗りやすい方向に仕上げられているとのことでした。
今回ご紹介するHARD SEについても、こうした方向性を反映したモデルだそうです。
そもそも、ホイールは硬ければ硬いほど良いというものではありません。レースでの反応性を重視する方もいれば、普段のサイクリングやロングライドでの扱いやすさを重視する方もいます。
単に頑丈さだけを追求するのではなく、乗りやすさとのバランスを考えて仕上げられているというのは、普段使いを考えるうえでも興味深いところです。
■ UNAAS HARD SEの基本スペック
それでは、今回のHARD SEを詳しく見ていきましょう。

※画像のカラーはレーザーロゴです。
まずはメーカー公表の基本スペックです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 価格 | 98,000円(税込) |
| リム素材 | T700カーボン |
| リムハイト | 50mm |
| リム内幅 | 23.4mm |
| リム外幅 | 30mm |
| 公表重量 | 約1,580g |
| スポーク | スチールスポーク |
| ハブ | 爪式ラチェット |
| 推奨タイヤ | 28〜32C |
| ブレーキ | ディスクブレーキ |
| 品質保証 | 3年間 |
まず注目したいのが、やはり50mmハイトのカーボンディープリムホイールでありながら、10万円を下回るという価格です。
スポークにはスチールスポーク、ハブには爪式ラチェットを採用するなど、構成自体は比較的シンプルです。しかし、こうした構成は必ずしもデメリットばかりではありません。特に一般的なスチールスポークは、補修やメンテナンスの面で扱いやすいというメリットがあります。
また、リムテープを必要としない構造です。
チューブレス運用では、リムテープの施工不良や経年劣化がエア漏れの原因になることもあります。リムテープが不要であれば、そうしたトラブルを減らせるだけでなく、定期的な貼り替えの手間も省くことができます。
こうした点を考えても、極端な軽量化や高性能な機構を追求するのではなく、価格とメンテナンス性、実用性のバランスを重視したホイールという印象です。
①重量に関して
続いて、実際の重量を測定してみました。


今回の実測重量は、フロント732g、リア861g、前後合計で1,593gでした。
メーカー公表重量は約1,580gなので、差は13gです。ただし、今回のホイールには前後ともチューブレスバルブが装着されており、その重量も含まれています。
バルブの重量を差し引けば、公表値にかなり近い重量になると考えられます。
では、約1,580gという重量は実際にどの程度なのでしょうか。
比較対象として、アルミホイールの定番モデルであるCampagnolo ZONDA DBを挙げてみます。
ZONDA DBは119,900円、メーカー公表重量は1,675gです。
これに対してHARD SEは約1,580gなので、約95g軽い計算になります。
これに対してHARD SEは約1,580gなので、約95g軽い計算になります。
ZONDA DBはリムハイト26〜28mmのアルミホイールですが、HARD SEは50mmハイトのカーボンホイールです。
もちろん重量だけでホイールの性能が決まるわけではありませんが、10万円を切る50mmハイトのカーボンホイールでありながら、定番のアルミホイールよりは軽量です。
また、ロードバイクの完成車に標準装備されているホイールには、前後で2,000g近いものもあります。
仮に2,000gのホイールから交換した場合、約400gの軽量化になります。
さすがに超軽量ホイールと比較すれば見劣りする部分もありますが、価格を考えれば、完成車付属のホイールからのアップグレードという観点では、十分に魅力のある重量だと思います。
②リム幅
続いて、リム幅も実測してみました。
メーカー公表値はリム内幅23.4mm、外幅30mmとなっています。
今回、ノギスで実測したところ、内幅は23.1mm、外幅は31.2mmという結果でした。


内幅はほぼ公表値どおりですが、外幅については公表値よりも1mm以上広い数値になっています。
リム外幅約31mm、内幅約23mmという寸法は、最近のロードバイク用カーボンホイールに見られるワイドリム設計です。
以前は25Cタイヤが主流で、リム内幅も17〜19mm程度の製品が多く見られました。しかし現在では28Cや30Cといった太めのタイヤが一般的になり、それに合わせてリム幅も広くなってきています。
HARD SEも、そうした現在のタイヤ事情に合わせたリム形状を採用しています。
メーカー推奨タイヤサイズも28〜32Cとなっており、現在のロードバイクで一般的なサイズに対応しています。
タイヤとリムの組み合わせによる空力性能は、装着したタイヤの実測幅やリムの断面形状によっても変わってきます。そのため、単純にリム幅が広ければ速いというものではありません。
それでも、10万円以下のカーボンホイールで、こうした現代的なワイドリム形状を採用している点は評価したいところです。
③50mmハイト
そして、もう一つの特徴が50mmというリムハイトです。
やはりディープリムホイールは、ロードバイクに装着した際の見た目の変化が大きいものです。完成車に付属するローハイトのホイールから交換すれば、車体全体の印象も大きく変わります。
また、ディープリムは空力性能の面でもメリットを期待できる形状です。特に高速巡航を重視するのであれば、リムハイトはホイール選びの重要なポイントになります。
今回のHARD SEについては、実際の空力性能を示す測定データは確認できていませんが、50mmというリムハイトに、現在主流のワイドリム形状を組み合わせている点は魅力的です。
そして何より、こうした仕様のカーボンホイールが10万円以下で購入できるという点が、HARD SEの大きな特徴だと思います。
④ 国内正規代理店の3年保証
そして、今回のHARD SEで特に魅力を感じるのが、購入後の保証とサポートです。
UNAASは国内正規代理店であるWINSPACE JAPANが取り扱っており、全国の正規販売店を通じて購入することができます。
さらに、国内正規品には3年間の品質保証が付いています。
ホイールは長期間使用するものです。使用中に不具合が発生した際、国内の代理店や購入したショップを通じて相談できるというのは、大きな安心材料になると思います。
ただし、今回代理店に確認したところ、UNAASにはクラッシュリプレースメントサービスは付いていないとのことでした。
それでも10万円以下という価格帯で、国内正規販売店から購入でき、3年間の品質保証まで付いている。この点は、HARD SEを選ぶ大きな理由の一つになると思います。
■ まとめ
現在ではカーボンホイールの選択肢も非常に多くなり、ネット通販などを探せば、HARD SEよりも軽いもの、さらに安いものも見つかります。
しかし、今回のHARD SEで特に評価したいのは、国内正規代理店があり、国内のショップで購入できるという点です。さらに3年間の品質保証も付いています。
ホイールは購入して終わりではなく、その後も長く使い続けるものです。何かトラブルが発生した際に、購入したショップを通じて相談できるというのは、決して小さなメリットではないと思います。
また、現在人気を集めているWINSPACEのオールラウンドロード「M6」。その税込498,000円の105 Di2完成車に標準装備されているのも、今回のUNAAS HARD SEです。
50万円を切る価格ながら、カーボンフレームに電動コンポーネント、そして50mmハイトのカーボンホイールまで装備したM6。そのコストパフォーマンスを支えているパーツの一つが、このHARD SEというわけです。
完成車付属の重いホイールからアップグレードしたい方や、初めてカーボンホイールを購入する方にとっても、非常に魅力的な選択肢だと思います。
単純に重量や価格だけで比較すれば、ほかにも選択肢はあります。しかし、製品の仕様、国内での購入のしやすさ、そして3年間の品質保証まで含めて考えると、HARD SEの魅力が見えてきます。
10万円以下という予算で、価格や重量だけでなく、購入後のサポートまで重視してカーボンホイールを選びたい方に、ぜひおすすめしたい製品です。
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