本記事は2019年にベアリングの専門家に質問をさせていただいた内容をまとめた記事となります。
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ベアリングの専門家に自転車のベアリングについて聞いてみたお話

自転車のベアリングって業界内では少々意味は変わってくる部分もあるかとは思います、ある意味ガラパゴス化の一途をたどっているようなところがあるような、、、(笑
神格化しているような物があるような気がしなくもありません。

とは言ってもワタクシ自身もセラミックがいいとか、ステンがいいとか、、、絶対的な正義を決めるのではなく自分の好きなもの・自分の信じるものを選べばいいと思っております。

自転車業界では当たり前のように語られていたり、当たり前の様に考えられているようなことを素直にベアリングの専門家に聞いてみた。そんなお話です。

ということで早速本題へ!

・セラミックボール+金属レースってどうなの?
ロードバイク界隈ではこの”セラミックボール+金属レース”のベアリングはセラミックベアリングと呼ばれていることが多いです。しかし実際にセラミックベアリングというとフルセラミックベアリング(レースもベアリング)ばかりで、レースが金属といういわゆるハイブリッドベアリング的なものは非常に探しずらかったです。ということでまずはこれに付いて聞いてみました。
※ハイブリッドベアリング:セラミックボール+金属レース等の複数の素材で構成されたベアリング
ちなみにフルセラミックは内外輪ともにセラミックでその場合、過重や衝撃で割れる可能性がある、という弱点があるようです。

Q1:まず工業用ベアリングでセラミックボール+金属レースは存在するのか?
A1:製品としては存在しているが金額は少々高く付くと思う。
かなり時間をかけて探していただきましたところあるにはあるようですが、ネットで型番たたいてもほとの情報がでてこないぐらいのものでした...ニッチな世界です。
そして一般的なベアリングと比較しても、お値段は非常に高いそうです。。。(笑

Q2:回転は金属のボールよりもセラミックボールのほうが軽いのか?
A2:回転を軽くする目的で素材を買えることは無い。

回転抵抗のためにボールだけを交換することはないとの回答でした。ではどういった時に使うかと言うと、”特殊環境に対応させるため”との答えでした。
(グリスを使うのに望ましくない環境、または液中等)

Q3:では回転の軽さを狙うためには?
A3:シールを考える。接触タイプであれば球の素材云々よりもシールの接触抵抗のほうがはるかに大きい

自転車のベアリングでも多く使われているカートリッジベアリングは、主に接触系のベアリング多いです。シールに品番とか書いてあるので見てみると分かりやすいと思います。

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http://asahi55.co.jp/oyakudati/jikuuke より

構造のお話はこちらに↓↓↓
ベアリングの種類のお話 カートリッジベアリング
ゴムシールが内輪(外輪)に触れていれば接触型、触れないのであれば非接触となります。

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※本当はもっと複雑な構造ですが、今回はものすごく単純な図です。

金属かセラミック否かの問題よりも、接触か非接触かのシール構造の違いのほうが差が大きいとのことでした。


・セラミックボールとグリス

Q4:セラミックボールのグリスは?
A4:フッ素は使わない。というかフッ素は潤滑性能がもともと低い。高温には強い

セラミックといえばフッ素グリスというイメージが合ったのですが、、、
専門家のお話ではフッ素の方が通常のグリスよりも潤滑性能が低いため、セラミックボール+金属レースの場合でも通常のグリスを使うということでした。
フッ素グリスは高温になる場合に用いられるということでした。


・ベアリング球の素材について
A5:ベアリング球の素材を変えることはチューンとしておすすめか?
Q5:前述のように素材で回転抵抗に差を感じることは難しいと思う。

素材は違えども回転抵抗に差はない。
素材で回転抵抗の差よりもシールの差のほうが大きい

専門家の意見だとやはりボールの素材により回転の違いはないということです。
細かく言うならば差が出てくるとすれば各所の精度にもよるとのことですが、それも超高回転域でのお話ということでした。


・シールについて
Q6:雨や洗車のことを考えておすすめのシールは?
A6:寿命を考えればやはり接触型のシールがいい。
メンテナンス頻度を上げられるということであれば非接触、メンテ頻度を下げるのであれば接触型。

とにかくベアリングの最大の天敵は異物でありそれが入らないようにすることはとても大切であるということでした。
それは使用環境にもよるとは思いますが、やはり回転が軽いのは非接触型のシールということです。それでもシールド性は接触型に比べてだいぶ落ちるということでメンテナンスの頻度はあがるということでした。


・シールを開けるということについて
Q7:シールを開けてメンテナンスをすることに付いてはどう考えているか?
A7:ゴムシールは相当うまくやればきれいにめくることが不可能ではない。

しかし少しでも曲がったり、取り付けがおかしければシールド性能の低下、回転抵抗の低下、グリス漏れ等いいことがない。
基本的にはメンテフリーであり、壊れるまでそのままで使えばいいのでは。

何度も繰り返し言っていたのが、やはりカートリッジベアリングはメンテナンスフリーを想定して作られているということでした。
専門家の目から見てもゴムシールをきれいに開けるのは中々難しいようです。少しでもシールが歪んだり曲がったりすれば極端な話、接触が非接触(歪んで隙間ができる)になったり、逆に非接触なのに接触してしまったり、、、いわゆるよく見かけるゴムシールは一概に”開けやすい\(^o^)/バイザイ” ということではないということです。


▶まとめ
もうなんかこういったことはいつも
”聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥”
この精神ですぐに確認してしまうわけですが、、、なんだか少々専門家の方も??となるようなお話もあったようで、、、(; ̄▽ ̄)ハハハ...
ベアリングの専門家としての意見やお話は、とても新鮮であり興味深かったです。

しかし当然これらのことは通常のベアリングとしての使い方をしてのお話であって自転車のベアリングはまた特殊な使われ方をするので一概にこの限りではないこともあると思います。

NTNのベアリングの実験、試験データなんかをみても通常のベアリングで1800 min−1とかです。
※60 rpm = 60 min−1

それに加えてBBではケイデンス、、、どんなに頑張っても150rpmも回りしながら何時間も走ることはあまりないと思います。通常であれは90~120rpmぐらいでしょうか。

そしてハブ、こちらも直径が670mmぐらいだとして33㎞/hだしても約256rpmです。

比べて工業用ベアリングでは、例えば某メーカーのべアリング(6805 2RS:接触型両ゴムシール)では許容回転数が10000rpmとなっています。

桁が違います。。。(´∀`;)

ですので自転車のベアリングはどちらかと言うとかなりの低回転域での性能の発揮というのが肝になってくるのではと思います。

ということで少し通常のベアリングとは考え方に違いがでていることが考えられなくはありませんが、それでもまったくもって別のものというわけではなさそうです。


色々な意見があることはいいことだと思いますし、色々な選択肢があるのはユーザーとしても楽しいことですので全然悪いことでは思いません。

しかし大切なのはいつも書いていますが、沢山の情報の中から自分の信じたことをとことん信じるってことだと思います。自分がいいと思ったものは最高だと信じて乗ることが大切です。
それがセラミックだろうが、ステンだろうが、接触でも非接触でも、、、

ワタクシはすぐに触ってみたくなってしまうので色々と取り寄せたりして実験して、時には壊してみたりも・・・ 人から聞くよりも実際に自分で体験してみることは大切にしたいことだからです。
ですのでいろいろ体感するように鋭意努力をしておりますが、、、日本のベアリング、Made in Japanは本当にすごいです(๑•̀ㅂ•́)و✧

ということで今回はベアリングの専門家に自転車のベアリングに付いて聞いてみた、そんなお話でした
。


ではです。セラミックベアリングに効果がないのかというと、そんなことはないと考えております。ギア1枚軽くなるなんて効果があるのかと言われれば、ワタクシ自身の見解としては残念ながらそんなことはないと思います。
しかしそれでも1cmでも1mmでも前に出ることが目的であれば、使用する価値はあると思いますし、その僅かな差を感じられるのは人間の感覚の素晴らしいところですし、その僅かな差を楽しむのが趣味の世界の楽しいところです。そして何よりも心パワーは偉大なりです。

しかしベアリングの良さを引き出すのにはベアリングそのものの性能だけではありません。
”がわ”の話もありますし、手技的な問題もあります。
正しい工具を使用し、確実にハウジングに圧入すること、これもとても大切なことです。
そしてBBなどではシェルの問題等々、様々な要因があります。
このあたりはプロならば、プロならではのノウハウがあるのがメカニックの腕の見せところです。


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