富士ヒルの今年の定員数は今年8000人と言う話です。
8000人もいれば走る速さだけではなく、ロードバイクに乗るための技術的な面でも差があるのは当たり前のことです。
また富士ヒルの出走には注意点があり、うる覚えですが出走順を決めるのにタイムが基準になっていたのは3年ぐらい前までで、昨年からはタイムに関係なく希望ウェーブのエントリーは先着順で、事前申し込みの出走ウェーブ内の時間にスタートする、という形式に変わりました。
ということは様々なレベルの選手が短時間のうちに走り出します。
多いウェーブで1ウェーブあたり1000人いかないぐらいかと思われます。となれば当然速く走れる人ばかりではなく、また初めてのレースと言う選手ももちろんいると思います。
ヒルクライムレースは全体としての速度域がそこまで高くないということ、また皆が表彰台を目指して競う、というよりかは自分自身の目標を目指して走られる方が多いと思います。ですので我先に!と言う雰囲気はいわゆる普通のレースよりかは低いかもしれませんが、それでもヒルクライムレースなのです。
公式ページにもきちんと記載があります。
十分なトレーニングをして大会に臨むこと申し込み規約 4.より
一人で走る単独走ではなく、皆で集団で走ることにもなりうるレースに出る以上は練習やある程度のマナーやスキルは必要ですし、自分との戦いだから練習もいらない、ということではなく同じく出走する他の選手に敬意を持ち、自分としてもレースに参加すると言う意識を持って、練習をする必要があると考えております。
基本的にこれらの走行技術は固定ローラーだけの練習では難しく、基本的には実走で練習する必要があることが多いです。
では具体的にどんなことが必要で、どんなことを練習すれば良いのか?ということを実際にワタクシ自身が富士ヒルに参加してきた中で、周りの状況や自分自身で危ないと思った経験から学ぶ、富士ヒルまでにしておくべき練習、そんなお話にしてみようと思います。
※速く走るためのパワートレーニングとかは様々な方法がありますが、今回はそういったお話ではありません。

①真っすぐ走る
まずは基本的なことですが真っ直ぐ走るということです。
当たり前??ということもあるかもしれませんが、意外とまっすぐ走れていない選手を見かけることが多いのも事実です。
これはゆっくり走っているときだけではなく、全力でも疲れていても、多少風が吹いたとしても、まっすぐ走るということです。
レースともなるとかなり周りとの距離が縦にも横にも詰まる場合があります。縦にも横にも多少詰まったとしても、皆がまっすぐ走っている限りは問題ありません。
しかしその中でまっすぐ走れない選手がいたりすることで、一気に危険度があがります。
余裕がある選手は、余裕がなさそうな選手にそっと教えてあげたりすることも必要な場合もあります。
真っ直ぐ走ることと、自分勝手なラインを走るということは別です。まっすぐ走っているようでもコーナーでイン側を潰したりと言うのは時と場合によっては真っ直ぐではなくなっていることにもなりますので注意が必要です。
まずはしっかりと走行ラインを考え真っ直ぐ走る練習をし、皆がまっすぐ走るだけでも落車はかなり減ると思いました。
②ふらつかない
自分の中で真っすぐ走っているつもりでも、ついついふらついてしまう場合があります。
例えばドリンクを飲む時、BOAをもう少し締めたい・緩めたい、暑くなってきてファスナーを下げたい、サイコンが、、、1時間以上の走行ともなれば様々な状況があります。
必要以上に行うことではありませんし、不要なことはやらずに走行に集中したほうが良いということは大前提とした上で、ドリンク等は走行中であっても必要な場合もあると思います。
こう言った状況を想定して、ドリンクはどうすればふらつかないように飲めるのか等、こう言ったことを意識して練習をしておくと良いと思います。
③急な操作をしない
ついつい夢中になっているとやってしまいがちな、急ハンドルや急減速等です。
よくあるのは前走車を抜く際に、集団になっているのにサッと急ハンドル・急な進路変更をしてしまうことです。専門的な言葉では斜行と言ったりもします。また追い抜きだけではなく路面の落とし物を急に避けたり、穴ぼこをよけること、これらも一人で走っているときはどれだけ急にやっても問題はありませんが、周りがいる場合は非常に危険です。
急ブレーキは富士ヒルの場合は基本上りなので急ブレーキはかけない、と思いきや上り区間ではブレーキを掛けずとも急に足を止めたり力を抜くだけで急減速となってしまう場合もありますので注意が必要です。
また富士ヒルの場合はヒルクライムレースとは言えども最後の平地区間が追い風等の条件だった場合、速度は50km/h近くまで出ます。(2021年の最高速度は48km/h以上でていました)
またその区間にシケインのようになっている区間があります。(現在の状況は不明です。)
もしも集団走行で突入する場合は、急ブレーキや急ハンドルだけではなく、急にラインを替えたりラインを潰したりすることは時として非常に危険な場合もあります。
④合図・声出し
動く前にはできるだけ合図をする、コニュニケーションをとるということです。
これは普段、集団走行をあまりしない方は馴染みがないかもしれませんが、集団走行に慣れている人はもう癖のようになっているべき行動です。一人の練習でも必ず意識してブレーキや走行ラインが変わる時だけではなく、なにか動作を起こす前は合図を出す意識付けを癖のようにすると良いと思います。
ハンドサインでなくても問題ありません。
むしろとっさの際はハンドルから手を離すことが厳しい状況もあると思います。
元気よく、爽やかに、怒ったり怒鳴るのではなく紳士的で言葉でとっさに出せるようにしておく、ということです。
右側抜きます!変わります!減速!ふらついてるよー!とか、周りは敵、ではなく同じゴールを目指す選手に敬意を持って走ることは大切なことだと思います。
ベテランの方や上級者の方も、初心者の方やうまく走れない方にも敬意を払って、お手本となるように配慮するのはとても大切なことだと思います。
富士ヒルはレース中はあんなに人が集まっているのに、と思うぐらいに静かなのです。もちろんにぎやかな集団もいますが、それは安全のために各々が気を使って、また記録のために協力をしているということもあると思います。
ということで声なりの合図を瞬間的に出す練習、これも周りのためにたとても大切な練習だと思います。
⑤周りの状況を理解する
まずは余裕を持って周りの状況を確認できるようにするということです。
一人で走っているのか、それとも集団なのか、前走車だけではなく自分が後続になった場合もそうです。
前走車があまりにもきつそうな場合、走り方がふらつきがちな場合、結構多いのがダンシングの時に一瞬下がってしまったり左右に動いてしまう場合、こんな危険が予測できる場合は基本的に距離をある程度確保しておくほうが良いと思います。
個人的な経験では、少し周りの状況を確認できるぐらいの強度で走ったほうが後々タレないような気もしております。
接触は急な操作、無理な操作が原因で起こる場合が多いです。しかしこれらの殆どはわざとではありません。意識せずに、また視野が狭くなってやってしまうこともあります。
周りに迷惑をかけないためにも、周りに人がいる状況を考えて走る必要があります。
⑥近づきすぎない
富士ヒルぐらいの勾配ともなると空気抵抗の影響があります。
前走車に近づけばドラフティング効果は殆どの場面で得られると思います。
しかしです。
そこには確実にリスクがあります。
気心の知れた仲間内であれば、どういった動きをするとか、危険なことはしない、とかわかるかと思います。しかし全くの他人の場合は、どんな動きをするかわかりません。
それは速度に関わらずです。
速く走れる人が安全に走る人とは限りません。過信しないということです。
近づきすぎずにある程度の車間距離をとって走るということです。
集団走行に不慣れで、適切な車間がわからず近づきすぎてしまったり、急ブレーキを掛けたりすることも非常に危険です。
基本的に体は多少当たっても転びませんが、あたりどころが悪かったり車体の一部が当たると一気に転んでしまうことがあります。集団走行の練習も大切ですが、自分のためにも、周りのためにもある程度余裕を持った車間距離をとるということ、急な操作の必要のない安定した走行をするための練習をしておくことも必要だと思います。
▶まとめ
目標のタイムを出すことはとても大切なことですし、1年間頑張ってきて結果を出したい気持ちは痛いほどよくわかります。そのためにはまずは周囲に迷惑をかけないように安全に走る練習も必要だと考えております。
富士ヒルはいわゆる普通のレースとは違って、おそらく多くの人は表彰台のてっぺんを狙うようなレースではなく、自分自身の目標を達成するためにときには協力し合ったりしながら、ゴールを目指すことが多いのではないかと思います。
そんな雰囲気がとても好きです。
事故なく怪我なく皆でゴールをするためにもしっかりと想定をし練習をしておく、ということです。
どれだけ練習をしても、意識をしていても時として危険なことになってしまう場合もありますが、それでも練習をすることは大切なことで、練習で出来ないことは本番でも出来ないものだからこそ、練習をすることに意義があります。
と、今回ご紹介をさせていただいた内容は、普段のサイクリングの仲間内での集団走行でも同じく重要なことだと考えております。速く走るための練習だけではなく、安全のための基本的な走り方をしっかりと練習をする、ということで富士ヒルまでにしておくべき練習のお話でした。
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