私自身、発売当初からフロントで使用しているGOODYEARの新型レーシングタイヤ「Eagle F1 SuperSport RS」は、これまで実測重量やタイヤ幅、走行フィーリング、さらに2500km使用後の摩耗や耐パンク性についても記事にしてきました。

そのEagle F1 SuperSport RSも、気がつけば走行距離は4700kmを超えています。

そしてちょうどそんなタイミングで、タイヤの転がり抵抗を専門に測定しているBicycle Rolling Resistanceに、先週ついにEagle F1 SuperSport RSのテスト結果が掲載されました。

以前から実際に走っていて「これはかなり転がりが軽い」と感じていたタイヤですが、測定結果を見ると想像以上に優秀な数値が出ています。

今回はBicycle Rolling Resistanceの測定結果を確認しながら、4700km以上使用してきた中で分かった耐久性やウェット性能についても、改めて見ていきたいと思います。

※今回紹介するEagle F1 SuperSport RSはフロントで使用していたタイヤです。走行距離や摩耗、耐久性についてもフロント使用での評価となります。
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▶Bicycle Rolling Resistance のテスト結果

Bicycle Rolling Resistanceが測定したEagle F1 SuperSport RS 28Cの転がり抵抗は、72psi(5.0bar)の条件で8.2Wでした。

測定条件はタイヤ1本、速度29km/h、荷重42.5kg、シーラント20ml。CRRは0.00246となっています。なお、これはBicycle Rolling Resistance独自の試験機による一定条件での数値なので、実走時にそのまま8.2Wの損失が発生するという意味ではありません。タイヤ同士を同じ条件で比較するための数値として見るのが分かりやすいと思います。

では8.2Wという数値がどの程度なのか。同サイトで測定されている代表的なレーシングタイヤと比較すると、次のようになります。

タイヤ 転がり抵抗
GOODYEAR Eagle F1 SuperSport RS 28C 8.2W
Continental GP5000 TT TR 28C 8.3W
Pirelli P ZERO Race TLR SL-R 28C 8.4W
Continental GP5000 S TR 28C 9.7W
Michelin Power Cup TLR 28C 10.3W

GP5000のTT向けモデル「GP5000 TT TR」の8.3Wをわずかながら上回り、さらに今年登場したPirelliの最新レーシングタイヤ「P ZERO Race TLR SL-R 28C」の8.4Wよりも低い数値です。通常のGP5000 S TR 28Cの9.7Wに対しては、1本あたり1.5Wもの差があります。

「1〜2Wの差」と聞くと、それほど大きく感じないかもしれません。

しかし割合で見ると、GP5000 S TRより約15%、Michelin Power Cup TLRの10.3Wと比較すると約20%も転がり抵抗が低い計算になります。

Power Cupと比べれば、転がり抵抗そのものが約2割も低いことになります。

しかも8.2Wという数値は、通常のレーシングタイヤとして優秀というレベルではなく、TT向けに転がり抵抗を徹底的に削ったGP5000 TT TRとほぼ同等。それをわずかに上回る結果です。

現在Bicycle Rolling Resistanceで測定されているロード用タイヤの中でも、Eagle F1 SuperSport RSは明確にトップクラスの転がり性能を持つタイヤと言ってよい結果だと思います。


✓旧SuperSport Rから約20%低減

続いては旧型Eagle F1 SuperSport Rとの比較です。

Bicycle Rolling Resistanceでは、旧SuperSport Rが同じ72psiの条件で10.2W、新型SuperSport RSが8.2W。

差は2.0W、割合にすると約19.6%の低減です。

GOODYEARは新型発表時、SuperSport RSについて旧SuperSport Rより72psiで転がり抵抗を15%、1.5W低減したと発表していました。実際のBicycle Rolling Resistanceの試験環境下では、それをさらに上回る改善幅が確認されたことになります。

旧SuperSport Rも決して転がりの重いタイヤではありませんでした。それを2W削って8.2Wまで持ってきたと考えると、新型RSシリーズでかなり大きく進化したことが分かります。

✓Eagle F1 RSの推定値

ここで気になるのが、私が以前リアに使用していた通常モデルの「Eagle F1 RS」です。

現時点ではBicycle Rolling ResistanceにF1 RSの測定結果は掲載されていません。しかし、メーカー公称値と旧型の実測値から、おおよその数値を推定することはできます。

GOODYEARによると、新型Eagle F1 RSは旧Eagle F1 Rに対して、72psiで転がり抵抗を32%低減しています。

Bicycle Rolling Resistanceで測定された旧Eagle F1 Rは14.7W。

単純に32%低減として計算すると、

14.7W × 0.68 = 約10.0W

となります。

さらにSuperSportで見てみると、メーカー公称15%低減から計算した場合は旧型10.2Wから約8.7Wになるはずですが、実測では8.2Wでした。

この差まで同じように反映すると、F1 RSは約9.5W前後になります。

したがって現時点では、

Eagle F1 RS 28C:9.5~10.0W程度

ではないかと予想しています。

これはSuperSport RSの実測値と、GOODYEARが公表している旧モデルからの改善率をもとに計算した推定値です。

Eagle F1 RSは、より転がり抵抗やレース性能を追求したSuperSport RSに対して、耐パンクベルト「R:Shield」を備え、耐久性や実用性とのバランスを取ったモデルです。

それでも仮に9.5~10.0W前後に収まるとすれば、GP5000 S TRの9.7WやMichelin Power Cup TLRの10.3Wと同等、あるいは下回る可能性があります。

SuperSport RSほど尖ったモデルではないEagle F1 RSですら、このクラスの転がり抵抗になる可能性がある。

そう考えると、今回のRSシリーズ全体の転がり性能がかなり高いことが分かります。

実際にBicycle Rolling Resistanceで測定されたとき、どの程度の数値が出るのか。これはかなり楽しみなところです。


▶転がり抵抗だけではない SuperSport RS

①耐久性
8.2Wという転がり抵抗は非常に優秀です。

ただ、4754km実際に使ってきた私としては、このタイヤで最も驚いている部分は転がり抵抗だけではありません。

この速さで、これだけ普通に使えていることです。

Bicycle Rolling Resistanceの測定では、SuperSport RSのセンター部分の総厚は1.4mm、トレッドのTotal Puncture Score(耐パンクスコア)は32ポイント。サイトでもレースやタイムトライアル向けの、かなり薄いタイヤとして評価されています。

スペックだけを見ると、普段から何千kmも使うというより、決戦用として温存したくなるようなタイヤです。

しかし私は発売以来、特に温存することもなく普通に使い続けています。現在の走行距離は4754km、使用空気圧はおおむね4.0~4.2barです。

晴れの日だけを選んで走ったわけでもありません。今年は雨天走行もかなり多く、雨の中、雨上がりの濡れた路面、濡れた幹線道路、高強度インターバル、コーナリングの練習など、普段のトレーニングでそのまま使用してきました。

それでも現在まで大きなトラブルはなく、摩耗インジケーターもまだ確認できます。

レーシングタイヤとして考えると、4754km使ってこの状態というのはかなり優秀だと感じています。


②耐パンク性
4754kmの間に確認したパンクは合計3回です。

最初の2回については以前の記事でも紹介しましたが、どちらもタイヤ表面からシーラントがわずかに滲んだ程度の小さな穴でした。
その後、やはりウエットで3回目のパンクをしたときも、傷そのものは非常に小さかったです。
どのパンクもパンク後に特に修理することなく、そのまま使用できています。

個人的には、この「傷が大きくなりにくい」という部分も非常に印象に残っています。

チューブレスタイヤでは、小さな穴であればシーラントが塞いでくれます。しかし傷が大きくなれば、シーラントだけでは対応できなくなります。

そのため実走では、単純にパンクする回数だけではなく、どの程度の傷で収まるのかも耐パンク性能を考えるうえで重要だと思っています。

私は基本的に走行中に止まることが好きではありません。

パンク修理で止まるのは当然として、トレーニング中であれば、一度止まることでメニューそのものが崩れる場合もあります。景色の良い場所で写真を撮るために止まることすら、ためらってしまうことがあるぐらいです。

そのためタイヤを選ぶ際には、耐パンク性能をかなり重視しています。


✓試験機の数値と実走での耐パンク性

ここはBicycle Rolling Resistanceの数値と、実走結果を分けて考えると面白いところです。

試験機では同じ条件で針などを使い、タイヤ同士の耐パンク性を同条件で比較できます。これは非常に価値のあるデータです。

一方、公道ではガラス片、砂利、金属片、鋭い石など、踏むものも当たり方も毎回違います。空気圧や路面状態、使用するシーラントによっても結果は変わります。

私が4754km使用した結果としては、多少の小傷はあるものの、大きな損傷は一度もなく、パンクとして確認できたのも3回のごく小さなものだけでした。

しかも今年は雨の日もかなり走っています。

雨の日や雨上がりは、路肩から異物が流れ出していることも多く、タイヤにとって楽な環境とは言えません。

その中でこの結果ですから、SuperSport RSの実走での耐パンク性について、私はかなり高く評価しています。

「薄いレーシングタイヤ」というスペックから想像していた耐久性とは、実際に4754km使った印象はかなり違いました。


③ウェットグリップ
Bicycle Rolling Resistanceでは、SuperSport RSのStatic Wet Gripは72ポイントでした。

私の実走での印象も良好です。

今年は雨天走行が多かったことに加え、最近ではコーナリングの練習もかなり行っています。濡れた路面でもタイヤの挙動は分かりやすく、これまでグリップに不安を感じたことはありませんでした。

ここで評価しているのは、公道や普段のトレーニングで使用する速度域です。雨のレースで限界までタイヤを追い込んだ評価ではありません。

それでも4754km使用し、ドライからウェットまでかなり多くの条件を経験した上で、ウェットでも扱いやすく、安定して走れるタイヤという評価は変わっていません。


▶4754km走った現在の摩耗状態

そして現在のタイヤがこちらです。
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4754km使用しただけあって、センター部分にはそれなりに摩耗が見られます。新品時と比べれば丸みも減り、タイヤを使い込んできたことは見た目でも分かる状態です。

一方、摩耗インジケーターはまだ確認できます。
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そのため「もう使用できないほど摩耗した」という状態ではなく、距離だけを伸ばそうと思えば、まだ使えると思います。

ただ、私はここで交換する予定です。

理由は単純で、レースを控えているからです。

SuperSport RSは元々トレッドの薄いレーシングタイヤです。摩耗が進めば、その分だけ残っているゴムの厚みも減っていきます。異物からケーシングまでの距離が短くなれば、耐パンク性に対する余裕も新品時より少なくなります。

4754km使ったタイヤを、あと数百km使い切ることにそれほど大きな意味はありません。

タイヤ代を少し節約した結果、パンクして練習中に止まったり、グリップを失って転倒した方がはるかに大きな損失です。

特に私は練習中に止まること自体が嫌いなので、レースの1週間ほど前を目安に新品へ交換する予定です。


▶まとめ

今回Bicycle Rolling Resistanceで8.2Wという数値が出たことは、私にとってかなり大きな結果でした。

実際に使っていて以前から転がりの軽さは感じていましたが、それが感覚だけではなく、トップクラスのレーシングタイヤと比較しても非常に優秀な数値として示されたわけです。これは素直にうれしいところです。

一方で、速いタイヤだからといって、それだけで自分が使いたいタイヤになるわけでもありません。

以前使用していたCORSA SPEEDは確かに転がりが軽く、速さという点では非常に魅力のあるタイヤでした。ただ、私が使った印象では耐久性や耐パンク性の面でかなり割り切った性格があり、コーナーを積極的に攻めたいと思えるタイヤでもありませんでした。

その点、Eagle F1 SuperSport RSはかなり印象が違います。

これだけ低い転がり抵抗を実現しながら、普段のトレーニングでもそのまま使え、雨の日でも不安なく走れます。さらにコーナリングでも安心して荷重をかけていけます。

ロードバイクのタイヤとして考えれば、これはかなり大きな魅力です。

しかも今回はフロントで4754km使用し、摩耗インジケーターもまだ残っています。見た目だけで判断すれば、もう少し使えそうな状態です。

ただ、レースも控えていますし、ここからタイヤを最後まで使い切るために耐パンク性やグリップの余裕を削る必要もないので、そろそろ新品へ交換します。

そして次もSuperSport RSを使います。

新しいタイヤを試すこと自体は好きですが、これだけ速く、コーナリングでも扱いやすく、ウェットでも不満がなく、ここまで普通に使えてしまうと、あえて別のタイヤへ変更する理由が今のところ見つかりません。

2セット目はおそらく越冬になると思いますが、寒い時期の使用感も引き続き確認していこうと思います。




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