高負荷時のギアチェンジ(シフト操作)をおすすめしない理由


もうしばらく交換していなかったチェーン、
基本的に11速で3000kmも持てばいいとは思うのですが、乗り方次第で全然違うというのこともあります。
低負荷でスルスル、ギアチェンジ(シフト操作)も滑らかに、こんな乗り方をしていればガンガンギアチェンジして高負荷走行を続けるよりも長持ちすることもあります。
ともあれもはや最近は3本ローラー専用機になりつつあるセンプレさんももうしばらくチェーンを交換していなかったのでチェーン交換です。
※チェーンはタイヤよりも交換スパンが速い消耗品です。・・・まぁタイヤの種類にもよりますが、

と、チェーン交換をしていたのですが、ふと「ギアチェンジをフルパワーで踏み込みながらしているとなんでいけないの?」こんなご質問をいただいたのを思いだしまして、そのお話しです。

尚今回はチェーンがものすごく汚いのは新品に変えたばかりで柔らかい湯漬けにして硬いオイルを抜いている段階のでごめんなさい。チェーンはいつもキレイにピカピカにしておきましょう。悪いお手本です。。。



▶変速の実際は?

力をかけた状態でのギアチェンジはフロントディレイラーやリアディレイラーがもぎ取れるようなことにはなりにくいと思います。というかしっかりと整備ができていれば多分なりません。

メカをぶっ壊してしまうというとこういったイメージなんですが、主にダメージを受けていくのは”ギアの歯”です。

ということで変速の動きを見てみます。

①フロント変速 インナー→アウター

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 フロントディレイラーの(内)ガイドプレートがチェーンをアウターギアに押し付けます。
押し付けられたチェーンはアウターギア内側にある変速ポイントを通過する際にチェーンのアウターリンク引っかかることでチェーンが持ち上がっていきます。

外側から見るとこうです。

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ということは変速ポイント通過後ほぼ3リンクで変速が完了するわけです。

変速ポイントは基本的に回転中にシフト操作後次のポイントにかかったときに乗り上げるわけですが、調整・セッティングがうまく行っていないと変速ポイントに上手く引っかからずに、「ガラガラガラガラ、よっこらせっ」といくわけです。


②フロント変速 アウター→インナー

大ギア→小ギアのほうがわかりやすいです。
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シフト操作でフロントディレイラーが内側に入り込む際にチェーンを外側のガイドプレートで押し込む形になります。押されたチェーンは噛み合う瞬間にギア歯から”インナーリンク”が"脱落"します。

この動きでインナー側へとチェーンが落っこちることになります。

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フロント変速をまとめて見てみます。

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⑥の時点でチェーンがアウターギアから外れることで、インナーギアへの変速が終わります。
この瞬間リアディレイラーの動きによってチェーンがたるまないようにバネの力でチェーンを引っ張るので、一瞬チェーンが暴れます。

つまり”インナー→アウター”にしろ”アウター→インナー”にしろ、リアのスプロケから離れたチェーンがフロントのギア歯に噛み合う瞬間、フロントディレイラーの動きによってフロントのギアとチェーンの間で変速という動作起こるということです。

この動きを見ていただければおわかりかと思いますが、結構細かい動きということです。

でパワーを掛けたままの変速ではどうなるかを考えてみます。


▶フルパワーギアチェンジを推奨しないのは・・・

当然金属同士(ギア-チェーン)が擦れる部分ですので、オイルで潤滑をするわけですが、それでもどうしても摩耗は防ぎきれません。
ギア歯は摩耗していくということです。

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使えば使うだけ”摩耗”していくるということです。


これともう一つ、
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完全にギア歯とチェーンが噛み合ったまま、上で書いたように実質3リンク分で変速が終了するような変速ではなくてギア歯の上にチェーンが乗っかったままの状態が起こり得るということです。

これも一定のところまでいくと「カタンっ」とギアが噛むのですが、こんなコトも変速を繰り返すうちには起こり得るということです。
リアディレイラー側のチェーンテンション調整の機構があるのでこんなことが起きても対応はできます。

100回変速動作を行えば、100回全く同じ変速動作が起きるわけではないということです。実際にケーブルで引っ張っているので、引き方、引く条件、引き幅等はるか昔のダブルレバーに比べれば遥かに安定もしますが、それでも常に一定ということではないということです。

この2つのことを合わせて考えてみるとこのように変速途中のギアと歯が上手くかみ合わさっていないときに過度の負荷をかけることで、不具合の可能性が考えられます。
薄くなったギア歯と正しく噛み合っていないチェーンがチェーンの進行方向に向かって過度の力がかかることで”歯かけ”を起こす可能性も考えられるということです。
チェーンリングの歯はものすごく固くできていますが、それでも摩耗して薄くなっているところは強度が落ちてくるといことは十分に考えられます。


それが大きな目で見てはっきりくっきりわかるような”かけ”ではなくてもチェーン掃除の際にウエスに微妙にわかるぐらいの金属片を発見する時があると思います。
これらはギア歯の微細な掛けか、チェーンの削れか、はたまた地面から拾ってしまった汚れの一種か、可能性のことを考えれば高負荷をかけたままの変速を繰り返し行うことは余りおすすめできません。
(金属片の成分分析をすればわかるのかもしれませんが、、、)



こういったことはリアの変速でも似たようなこと考えられます。
フロントの変速とは少し違いは、
・フロントはガイドプレートでチェーンを押す
・リアはガイドプーリーでチェーンをずらす
これはディレイラーの構造の違いでもあります。

しかし変速の動作でチェーンを
”隣の歯に押し付ける→押し付けられたチェーンがギアの一定のところに当たることで隣のギアに移る”
これはフロントもリアも同じ仕組みです。

ものすごく簡単に言うと”チェーンをギアから脱落させる機構”これがディレイラーということで、脱落させることで変速を行っているということです。

これは上で書いたようにフロントの変速の場合も、リアの変速の場合もですがこの動きの中で隣のギアに移る瞬間、ギアがきちんと噛み合っていない状態ができる、このきちんと噛み合っていない状態での高負荷でギアの歯の偏摩耗を進めたり、場合によっては”かけ”が起こることが考えられる、ということです。


外装変速機は内装変速機と違いの仕組み上、「ギアチェンジはペダルを漕ぎながら行う」ということが大前提ではありますが、チェーンを脱落させてギアチェンジをするという上では過度の負荷は余りおすすめできないということです。

これが一回やったから壊れる、とかそういうものではないですが繰り返し行うことで、不具合をより大きくしていく可能性があるということです。

これともう一つおすすめできない理由があります。



▶トラブル発生時の被害を最小限に抑える

これともう一つ、ギア抜け、チェーン外れ、ギアつまり等のトラブルの発生はほぼギアチェンジのときに起こり得るトラブルということです。

①ギア抜けはなんらかの不具合でチェーンとギアが噛み合わずに瞬間的に空転してしまうことです。
②チェーン外れは馴染み深いと思いますが、ギアからチェーンが外れてしまうことです。
③ギア詰まりは主にガイドプーリーからのチェーンの脱落でリアディレイラーのガイドプレート付近にチェーンが落ちることでこれが起きるとペダルが踏めなくなります。ムリに踏むとディレイラーが壊れたり、もぎ取れたりその他重大な事故につながる危険性があります。
※これらの語彙はワタクシが勝手に使っている言い方です。

ギアチェンジをした瞬間にこれらが起きてしまったことを考えると、例えば①のギア抜け、ダンシング中に起きると、相当やばいです。コレハ先日実体験を記事にいたしましたorz爪がなくなりました。
②チェーン外れるということは例えばリア側で外れれば、ホイールに挟まったり、フレームとスプロケの間に挟まったりします。フロントだったら外側なら外れるだけですが、内側の場合はやはりフレームとインナーの間に挟まったりします。(このへんはフレーム形状BBの種類にもよってかわります。)
これらホイールやフレームに挟まったままペダルを踏んでチェーンを動かしてしまったら、ご想像のとおりです。③も同じようなものです。

トラブルの可能性が高いと思われる状態で無理に強く踏み込むということは、トラブル発生時に被害を拡大させる事があるということです。

なにかあったときのためにもそこまで力がかかっていなければ重大な事故にならずに、自転車を壊さずに済むこともあります。整備をしっかりしていればそんなに簡単にギアのトラブルなんて起こることはありませんが、それでも万が一の何かがあった際にバイクも自分も守ることにつながるのでは?ということです。


ということで高負荷時のギアチェンジをおすすめしない理由というお話しでした。

では実際にはどうするのかということですが、一瞬、瞬間的にトルクを抜いてあげるということです。
フロント変速もリア変速も変速動作にかかって(シフト操作後)からターゲットギアにチェーンが噛むまでの間おそらく0コンマ数秒(もっと短いかも)この瞬間に力を抜く、負荷をかけるのはギアが噛んだ瞬間以降にじわっと力をかけていくということです。

ギアが噛んだ瞬間も変速動作もすべて目で見て判断するわけではなくて、音で判断したり、ペダルを踏む感じを足で感じたりでギアがどうなっているかを判断します。
レース等の特殊な環境でなかれば、もちろん異変があれば無理をせずに無理やり踏むのではなくて軽く回してみたり、止めて状態を見てあげることで重大なトラブルを防ぐことができます。

もちろんペダルを回しだすときも「カンカン」言うような変な負荷のかけ方・ペダリングはよくありません。
イメージ的には滑らかではない片足ペダリングでフリーが一瞬動いてその後に「カンッ」と、乱暴にクラッチをつなだようなイメージです。
某社のフリーボディのように強度が少し弱いものがありこういった動作は”齧り”につながることもあります。これも一回やったから壊れるということではなくて繰り返すことでダメージが蓄積されていく、結果寿命が縮まってしまったり、トラブルに発展することもあるということです・

「滑らかに滑らかに、」こんなコトを考えながらギアチェンジをしていればトラブルを未然に防いだり、重大な事故の防止になるため、個人的には高負荷時のシフトチェンジはあまりおすすめしません。ということです。

ギアチェンジも最近は電動になったりはしていますが、こういった技術は電動だろうが紐式だろうが、同じく使うテクニックですネ。



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