ロードバイク乗りにとって、つらい季節がやってきています。
ただでさえモチベーションが落ちやすいのに、気温の影響でパワーも出づらくなる時期です。
そうなると、つい高強度トレーニングから遠ざかってしまいがちになります。

そんな冬になると、
「このまま強度を落として大丈夫なのか」
「VO2maxや無酸素をやらないと弱くならないか」
そんな不安を感じる方は多いと思います。

ワタクシ自身も、以前は同じように考えていました。
辛いワークアウトをこなしていないと、何かをサボっているような気がして、
このままでは弱くなってしまうのではないか、という気持ちを少なからず持っていたからです。

ですが今は、逆に高強度は3週間〜1ヶ月に1回ほどしか行っていません。
やったとしても全力のVO2maxインターバルではなく、かろうじてできるような強度でもなく、「このくらいなら問題なくできるな」と感じる程度のVO2maxの中でも低めの強度で短めに、です。

それでも、今冬のトレーニングはうまくいっていると実感していますし、不安はほとんどありません。
なぜなら、強さが積み上がっていることが、数値にもはっきり表れているからです。


では高強度をやらずして、どうこの寒さ厳しい冬にでも伸ばすことができているのか、
今回はそんな実体験をベースに、この冬におすすめしたいトレーニングを2つ紹介します。

ということで今回は
冬は“踏まない”ほうが強くなる? この冬、効果を実感している2つのトレーニング
そんなお話しです。
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■なぜ冬に高強度をやらないのか
まず本題のトレーニング2選に入る前に、これも大切なところです。
最初に大前提として、冬にVO2maxや無酸素領域の高強度を入れない理由は、とてもシンプルです。

”リスクの割に、リターンが少ないから。”
これです。

寒さによる筋肉・腱への負担、回復の遅れ、体調のブレ。
冬場に無理をすることで膝や腰を痛めてしまうこと、少なくはありません。
そこに高強度を重ねると、辛さは大きいのに、積み上がるものは意外と少ない。
「頑張っている感」は強いのですが、コストパフォーマンスは決して良くありません。

つまり、冬場の高強度トレーニングは、ハイリスク・ローリターンになりやすい。
これは、過去に何度も越冬を経験してきた中で、強く感じていることです。

一度痛めたり、怪我をしてしまえば、できることは休むことだけです。
回復を待っている間に、成長することはできません。
怪我をしないことは、トレーニングを継続し、結果を出すうえで最も重要なことだと考えています。

そして基本的な考え方として、高強度はスパイスのようなものです。
一年中の主食にはならないと考えています。

冬はとにかく土台を大きくする季節。
高強度は、暖かくなってからいくらでも入れられます。

高強度に耐えられる、しっかりとした土台を築くこと。
これこそが冬の重要な過ごし方であり、この差は後々、確実に表れてきます。


■この冬おすすめのトレーニング
では、続いて本題です。
自分の中で本当に効果があると感じ、今も日々取り入れている2つのトレーニングを紹介します。

①高ケイデンス × 低強度走
一つ目は、高ケイデンスでの低強度走です。

高ケイデンス走は強度は抑えめですが、
・ペダリングの神経系
・心肺の循環
・筋への余計なダメージを避ける
これらを同時に満たすことができる、非常に効率の良いトレーニングだと感じています。

ポイントは「踏まないこと」です。
軽いギアを選び、回転を丁寧に回し続けます。
あくまで低強度が主体なので、ケイデンスが上がってもパワーを上げないことはもちろん、心拍も必要以上に上げないように意識します。

文字にすると簡単そうですが、実際にやってみると意外と難しいです。
ケイデンスを上げようとして、つい踏みすぎてしまったり、パワーは抑えられていてもペダリングが乱れて心拍が上がってしまったりしがちです。
楽ではありますが、決してサボっている感覚のトレーニングではありません。

ワタクシ自身、以前は高ケイデンスが得意ではありませんでした。
高強度+高ケイデンスはできても、低強度+高ケイデンスはうまくできなかったのです。
しかし、これが安定してできるようになると、ペダリングそのものに余裕が生まれました。

このトレーニングを続けることで、
・ペダリングが雑にならない
・疲れても回せる
・心拍の戻りが良くなる
こうした変化を、じわじわと実感できるようになります。

特に大きいのは、疲れているときの対応力です。
回転でパワーを調整したり、脚を回しながら心拍を落としていくといったコントロールが、自然とできるようになります。

重いギアを踏みすぎて脚に来てしまった疲労は回復に時間がかかりますが、心肺系の疲労は比較的戻しやすい。
そういう意味でも、インターバル耐性という点で有利に働いていると感じています。

この差は、特にライド後半で確実に効いてきます。

ライド後半で、
・脚を残せない
・最後に垂れる
・明らかにペースが落ちる
こういった経験がある方ほど、このトレーニングは一度試してみる価値があると思います。


②心拍ベースのSST
二つ目が、心拍ベースで行うSSTです。
ここが、今回一番伝えたいポイントでもあります。

正直に言って、SSTはとても地味な練習です。
それでも、自分に合った方法で行えば、効果をはっきり実感できるトレーニングだと感じています。

パワーメーター全盛期の今、「心拍で強度を管理する」というと、少し古く感じるかもしれません。
ですが冬場は特に、心拍は非常に信頼できる指標の一つとなります。

寒さ、体調、疲労、自律神経の状態。
それらすべてを反映してくれるのが心拍だからです。

もちろん、パワーメーターが不要という話ではありません。
心拍で強度を守り、パワーで結果を確認する。
つまりパワーは結果であり、目的ではないという考え方です。
この役割分担が、冬にはとても噛み合います。

実際、このようなことを意識して行っている効果として、ワタクシ自身は
・同じ心拍で出せるパワーが上がってきた(ベースの向上)
・SST中の心拍の暴れが減った(Power/HRの安定)
・翌日の疲労が明らかに軽くなった(回復力の向上)
こうした変化を、数値と体感の両方で感じています。

✓ポイント
SSTは、限界まで頑張ることや、出し切ることが目的のトレーニングではありません。
SSTの主軸は「我慢」にあります。

ここで言う我慢とは、出せるパワーをあえて出さず、狙った強度を最後まで守り続けること。
そこに、SSTとしての最大の意味があると考えております。

はっきり言ってパワーを、もっと出そうと思えば出すことはできます。
しかし、それではSSTではなく、いわゆるL4(閾値走)の領域に入ってしまいます。
そうなると、SSTとして狙っている効果を、しっかり回収することができません。

そもそもSSTがオススメされる理由は、「結果的にFTPを伸ばしやすい」という点だけにあるわけではありません。
本当に大切なのは、体に掛かる負荷と、それを回復させる同化のバランスが非常に優れているという点です。

このバランスが保たれてこそ、SSTは継続でき、効果も積み上がります。
限界に挑戦したり、無理をしてしまうと、このバランスは簡単に崩れてしまいます。
そうなると、せっかくのSSTの良さを、自ら削ってしまうことになりかねません。

そうワタクシ自身が今冬、着実に成長をしているSSTは、、、
・出せるけれど、あえて出さないこと
・限界まで追い込まないこと
・その後にしっかりと同化の時間を取ること
この3点を特に大切にしています。

正直に言うと、最初は不安もありました。
「こんな強度で、本当に強くなっているのか?」
「緩く走って強くなるって、どういうことなんだ?」
「余力があるのに、もっと踏まなくていいのか?」
そんな気持ちが、正直あったのも事実です。

ですが今は、不安がありません。
なぜなら、強さと成長を、はっきり実感できているからです。

※SSTの具体的な組み方については、ここではあえて書いていません。
なぜなら、人によって最適解が大きく異なり、強度や頻度、量の調整が非常にシビアなトレーニングだからです。

まず、LTHRをできるだけ正確に把握することが、とても重要になります。
そのうえで、導き出したLTHRを基準にデータを確認しながら、少しずつ試行錯誤を重ねていきます。

ワタクシ自身も、このプロセスを何度も繰り返しています。
そのため、「これが唯一の正解」という形でまとめることができないのです。
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まとめ
冬のトレーニングで大切なのは、リスクを承知の上、「限界を攻めること」ではなく、迷いなく積める強度を、淡々と積み上げることだと思っています。

高ケイデンスの低強度走と、心拍ベースのSST。
どちらも派手ではありませんが、確実に土台に効く練習です。
土台が大きくなければ、高強度に耐えることはできません。
暖かくなってきたときに、質の高い高強度を行うためにも、冬は土台を作るのに最適な季節です。

伸び悩みを感じている方ほど、一度立ち止まって、強度の選び方を見直してみる価値はあります。
「きつい練習ばかりになっていないか」
「その練習は、本当に身になっているのか」
一度考えてみてほしいと思います。

この冬をどう過ごすかで、春以降の伸び方は大きく変わります。

ワタクシ自身、高強度をかなり控えめにしながら、こうした練習をこの冬、日々重ねていますが、強さが確実に積み上がっていることを、今ははっきり実感しています。
実際、推定値ではありますが、現在はこれまでで一番良い状態にあります。

ということで今回は、
冬は“踏まない”ほうが強くなる? この冬、効果を実感しているとは2つのトレーニング
そんなお話しでした。


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