ロードバイクに乗る上で必須で基本のキの字ですが、逆に最重要とも思われるメンテナンス、それが空気圧の補充であり、空気圧の設定です。
空気圧の補充といえばなんとなく減ったり、なんとなく柔らかくなってきたら、週に一回等の期間で決めている様々な方がいるかとは思います。
しかしです。
はっきり言って空気圧を調整しないで乗るなんて、あんな楽しいことをしないなんて超もったいないことです。そしてもったいないだけではなく時と場合によっては危険も伴うことです。
ワタクシ自身も遠征のときでも必ずフロアポンプを持っていきます。

ということで今回はちょっとマニアックであり、基本の気の字のお話、ロードバイクの空気圧の世界を探る、そんなお話です。

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▶空気圧はなぜ重要?
ものすごく単純なお話です。
タイヤは地面に接地している唯一の部分であり、走るためには絶対に必要な部分です。極端な話にはなりますが、レバーが折れようがサドルがもげても走ることはできます。(本当に走ってはだめですが、たとえです)
しかしです。
タイヤがだめならば走ることはできません。タイヤが駄目になる原因で一番多いのが空気圧を保持できなくなること、すなわちパンクをしては走れないどころか、パンクのタイミングによってはとても危険にもさらされてしまいます。

またタイヤの性能を引き出すために必要なことと言えば、適正な空気を入れることです。
どんなに良いタイヤを使ったとしても、ペコペコではまともに走ることすらできません。逆にパンパンに空気圧を高めてはしなやかなケーシングが台無しになってしまうことすらあります。

空気圧ってものすごく重要なのです。ですのでただただ充填するだけではなく、自分にあった適正な空気圧で走ることこそ、タイヤの性能を引き出し、体への負担を減らし快適に、そして速く走れることにもつながるからこそ、重要なことです。


▶適正範囲外のリスク
もちろんタイヤの空気圧には適正範囲がありますが、その適性範囲を超えてしまう事によってどんな弊害、リスクがあるのかということです。
例えばですが最近の傾向として、太めのタイヤを低圧運用するのがブーム的な印象があります。なぜならば空気圧を低くすることでタイヤは柔らかくなり乗り心地が良くなりますし、コースによってはその方が速く走れるという実験結果もあります。
タイヤの柔らかさは直接乗り心地に影響を与えますので、振動や衝撃がマイルドになりおしりや手が痛くなりづらくなります。

しかしです。
空気圧をむやみに限界を超えて下げてしまうことのリスクは、やはりタイヤの底づきにより起こるリム打ちパンクです。リム打ちパンクはタイヤやチューブの損傷だけで済めばよいのですが、場合によってはリムの破損に繋がる場合もありますので要注意です。

もちろん逆もNGです。
高すぎる空気圧は乗り心地を悪くするだけではなく、ウエット路面等グリップ力が低下したり、場合によってはビードが外れてしまうこともあります。

つまり低すぎても危険ですし、高すぎても危険ということで適正範囲内で調整をする必要があります。


▶最適な空気圧の探し方
では自分にとっての適正な空気圧の探し方を考えてみようと思います。
タイヤの空気圧は非常に重要です。高過ぎても低過ぎても、そのタイヤが持つ性能を100%発揮することはできません。ご自身にとって最適な空気圧を見つけ、ヴィットリアタイヤの持つ高いパフォーマンスを実感してください。
CORSA PRO & CORSA N.EXTの推奨空気圧 より抜粋

タイヤメーカーも高いパフォーマンスのためには空気圧の設定が重要ということを述べています。
ということで最適な空気圧の探り方です。

①最大値、許容範囲
基本的にはメーカーの推奨値内で調整します。
ということなのですが、最近では最大空気圧のみの記載となっているタイヤが増えました。

Vittoriaのタイヤを例に見てみます。
PXL_20231101_001636652
CORSA N.EXT TLR 26c:MAX 110/7.5

PXL_20231101_001652384
CORSA N.EXT CL 28c:MAX 115/8.0
やはり最大空気圧の記載のみです。
これ以上の空気圧を入れることは、性能が発揮できないだけではなく、ビード外れ等危険も伴うことがあるということです。実際にはTLRで2BAR以上の過多でビードが飛んだものを見たことがあります。

もちろんタイヤだけではなく、リム側も上限がある場合があります。
特にカーボンリムで多いのでLUN HYPERを例に見てみると、公式ページの諸元表にもありますが、120psi(約8.3BAR)です。これ以上の空気圧はリムが耐えられない可能性があるので基本的にNGとなります。

ですのでまずは空気圧の上限として、リムとタイヤの双方を確認して両方の上限を超えないような範囲での設定が必要です。

②推奨値
許容範囲が分かったらその範囲内で調整をする形になります。

ということなのですが、前述のように最近は上限しか記載がないメーカーが増えてきました。
とこれでは参考値がわかりません。
そんな場合は各メーカーのHPを見てみます。
Vittoriaは推奨値の記載があります。メーカーとして最大限にタイヤの性能を引き出して使ってほしい、ということだと思います。とても良いことだと思います。
チューブレスレディ
nest1

クリンチャー
nest2
CORSA PRO & CORSA N.EXTの推奨空気圧 より
※この時のサイクリスト重量とは、体重+バイク重量等の総量で見るという場合が多いです。

これは経験上の話ですが通常このタイヤメーカーの推奨値はハイエンドモデルの場合は特にですが、快適に走れる数値ではなく、速く走れる数値の記載である場合が多いと考えております。
ですのでこの値から乗り方に合わせて微調整をしてみる、ということです。

③調整してみる
何はともあれまずは推奨値で乗ってみます。
ワタクシの場合はまず体重(身につけているもの)+バイクの総重量でおそらく70kgちょっとぐらいですのでフロントの28cは5.6BAR、リアのTLR 26cは4.9BARです。
こちらで乗ってみます。
やはりクリンチャーのフロントは28cとは言え5.6BARは若干硬くも感じます。
荒れた路面では若干のハネ感を感じますが、パワーをかけた時の転がりの軽さは5BAR運用時よりもよく感じます。
空気圧を少し落としてみます。やはり衝撃等にマイルド感はできますが、フロントにパワーがかかるような踏み方の際には若干の転がり感の低下を感じます。

リアの4.9BARは何も問題がありません。やはりクリンチャーよりも跳ねづらくしっとりとした乗り心地、かつ転がりも重たくないように感じます。
ではリアも調整してみます。5.5BARまで上げてみるとやはり乗り心地は固くなりハネ感も強くはなってきますがそれでもクリンチャーよりも衝撃や振動に優しさがあるように感じます。また若干ですが転がりが軽くなるようにも思えます。しかし空気圧が高くなるにつれ転がりは軽くなっていく一方、逆にハネ感が上がってくるため、荒れた路面では回しづらくパワーがかけづらくなってきます。抜ける瞬間が増えていくようなイメージです。

このように推奨値から少しずつ変化を楽しみつつ、自分の求めることに合わせて空気圧を調整してきます。0.2BARずつぐらいが理想ですが、実際には0.2BARでは大きな変化は感じづらいです。
違いを理解するための方法としてリスクはありますが、0.5BARぐらい変えるとかなり変わります。

ただし入れ過ぎや抜きすぎには要注意です。
ですのでもっと低圧運用をしたいとか、乗り心地を良くしたいとかがあれば、タイヤの太さをもっと太くすることで更に低圧にはできます。


▶空気圧の調整時に考慮するべきこと
リム打ちパンクのリスク
チューブレスのほうが低圧運用ができますが、クリンチャーの場合はリム打ちパンク等のリスクが高いです。
空気圧だけではなくチューブの重量や素材によってもその差は出てきます。
限界を超えるような低圧はやはり少々怖いところがあります。
60kgワタクシの経験ではTPUの5BARはフロントはOKですが、リアはリム打ちしました。チューブレスは問題ありませんでした。

✓走るコース
基本的にきれいな路面のほうが空気圧は高く設定して良いと考えております。
逆に路面が荒れている場合は、低めのほうが良い場合もありますが、穴ぼこにハマったときのことを考えると低圧運用ではやはりリム打ちのリスクが上がります。

あとは下りです。
下りは平地以上に速度が出る場合も多く、タイヤには負担がかかります。
平地ではリム打ちをしなかったが、下りでリム打ちしてしまった。ということは少ないことではありません。
ですので下りが多い場合は、平地よりでぎりぎりよりも、若干高めにする必要があります。

✓抜重等のスキル
同じ体重で同じ空気圧で乗っていてもリム打ちをする場合と、しない場合あります。
それは主に抜重の技術(反射的な動き)であったり、あとは走行ラインの取り方等によっても変わってきます。

こういったことを考慮しつつ、自分にあった適切で最適な空気圧を探るというのも、深い深い趣味の世界で楽しいところだと思います。


▶まとめ
最適解はというと、自分の中でも乗り方等を考慮して参考値を導き出すしか無いのかもしれません。
ちなみに経験上のお話では、体重60kgのワタクシがクリンチャーを使用する場合は25cで6BARというのが最低限のラインです。これを下回るとやはり下り等の負担が大きい際に、リム打ちをしてしまう可能性が高くなります。
チューブレスでは4BAR台でもパンクにはなりませんが、やはりクリンチャーのほうが低圧運用は厳しいイメージです。
また適正空気圧はフロントとリアでも差が出ると感じています。
TPUチューブでは5BARはリアはリム打ちしましたが、フロントでは問題がありません。
これらのことからも前後での違い、そしてインナーチューブでの違いもあるということです。

ともあれ個人的な意見ではありますが、適正値とは?ということです。
何できまるのか?というと本当に難しいです。体重、走る場所、走り方、何を求めるるのか?だけではなく、好みの問題ももちろんありますし、フレーム、ホイールとの兼ね合いもあります。

個人的にはどんなところを走ってもリム打ちパンクをせず、走りが重たくならないギリギリの低圧、ということだと考えております。
自分にあった適正な空気圧を探すためには、、、やはりある程度は走って経験をする必要はあるかと思います。

空気圧を変えて走ってみるのは本当に面白いです。お金がかかることもなく、乗り心地や進む感じもかなり変わります。同じ空気圧の変化でもタイヤによって反応が全然違うのもの面白いところです。なんて楽しいことでしょうか。是非、限界を超えないように色々と試して頂けると良いかと思います。
ということで今回はロードバイクの空気圧の世界を探る、0.1BARの美学。そんなお話でした。
※フックレスの場合は要注意です。

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